2013 H邸(東近江市) リフォームの内覧

築70年、お施主様のおじい様の代から大切に住み続けてこられた住宅の一部をリフォームさせて頂きました。夏場は、涼しくて過ごしやすいのですが、冬場は、家の中にいても、吐息が白くなるほど寒く、日差しもあまり入らず、昼間も電気をつけておられました。段差も多くて、ご高齢になられたご両親に、冬場暖かく、そして安全に過ごして頂ける様に、気密、断熱施工と共に、バリアフリー工事もさせて頂きました。
解体工事により、現された柱や梁は、70年経った今もしっかりと家全体を支えていました。そんな構造を、出来るだけ表に現しながら、家全体の性能を向上させ、内装においても、既存の部分との調和を考えながら、工事を進めていきました。
  束石を据え、鋼製束を設置し、土台、垂木を流して、間に断熱材を入れ、構造用合板を敷きました。
  天井から明かりをとるために、瓦の一部をガラス瓦に差し替えました。断熱施工後、杉板をはり、板張りの勾配天井としました。
  内側が樹脂になったYKKエピソードタイプSのサッシを使用し、結露を防ぎ、窓から暖かい空気が逃げるのを防ぎます。窓枠、ドア枠を作りつけ、壁の気密、断熱施工をしました。
  以前、窓だった部分を、勝手口に作り変えました。
  既存の欅の玄関につりあう下段を取り付けました。

キッチンの後ろ側に作業用のカウンターを設けました。

塗装、内装クロスの後、建具、照明、畳が入りました。

   住みながらの工事、そして、一年で一番寒い時でもありました。工事期間中は、たいへんご不便をお掛け致しました。工事中のご理解と、温かいお気持ちに心から感謝致しております。既存の部分との調和を一番に考え、丁寧に仕事を進めさせて頂きました。玄関部分の長年かけてつくられた欅の風合いを生かせるように、特に、気を配りました。家の性能を上げる、調和を重んじる、お施主様の思いとイメージを大切にする、美しい収まり、職人としても人としても、今後も日々仕事を通じて勉強させて頂きます。
施施工、監理担当 中島