N邸 リフォーム
初めて、お家を見せていただきましたのは、梅の咲く少し肌寒い時期でした。初めての訪問の日は、毎回とても緊張するのですが、とても気さくなご夫妻のお人柄のおかげで、和やかにお話をさせていただくことができました。
タイルのお風呂をシステムバスにし、洗面脱衣室、ダイニングを快適な空間に変更する一期工事とあまり活用されていなかったお部屋を寝室、お手洗い、収納室へと改造させていただく二期工事に分けさせていただきました。
八月のはじめ、工事の無事を祈念し地鎮祭をさせていただきました。ご主人様のご丁寧なご挨拶にあらためて、気の引き締まる思いがいたしました。
お盆明け、解体工事からはじまりました。残暑厳しいなか、順調に解体工事が進みました。
一期工事は、10月初旬に完成いたしました。お風呂、洗面脱衣室、ダイニング、キッチンの入れ替えの工事を終え、二期工事へと移行いたしました。
二期工事も解体からはじまりました。柱が一部シロアリに蝕まれていましたので、新たな柱で根継ぎをしました。基礎の新設、補強が必要になりました。
9月、10月の長雨で屋根の葺き替え工事も二度延期となりましたが、三度目の正直で快晴に恵まれました。土葺きの瓦屋根から軽量のガルバリウム屋根へと葺き替えをさせていただきました。
土壁はそのまま残し、家の内側に充填断熱施工をさせていただきました。隙間なく断熱材を充填することで、外気の進入を防ぎ暖冷房の効率が良くなります。省エネを実現しながら快適性が向上しました。
二期工事もお陰さまで順調に進みました。新年を新しい環境で迎えたいとのお施主様のご希望に沿うことができ、たいへんうれしく感じました。
収納室は気軽に使っていただけるように、あえてオープンにし、稼動棚を設けました。塗装をし直した既存の梁が素敵なアクセントになりました。
木製建具、床材、壁面の貼り分け等で、木の持つ調湿効果、蓄熱効果が向上しました。勾配天井の仕上がりにご主人様から、お褒めのお言葉をいただきたいへんうれしく安堵いたしました。寝室の窓は、縁側からの隙間風を防ぐために、二重サッシを取り付けました。
既存部分と新たに施工をさせていただいた部分が上手に馴染み、自然に仕上がりました。
約四ヶ月間の工事となりました。一期工事では、仮設のお風呂に入っていただき、仮設のキッチンでお料理をしていただき、ご不便をお掛けいたしました。屋根の葺き替え工事では、二度の延期にご心配をお掛けいたしました。工事中の埃や工事音などたくさんのご迷惑をお掛けいたしました。それでも、いつもいつも温かく明るく私たちに接してくださいましたご主人と奥様でした。工事をさせていただきながら、周りのひとたちへの気配りや言葉掛けの大切さを深く学ばせていただきました。ご縁をいただきましたことに心より感謝いたしますと共に、今後も、日々精進を重ねて参ります。誠にありがとうございました。