コラム
2024.02.06
住まいを長持ちさせるには
国土交通省の資料によると、取り壊される住宅の平均築後経過年数は、日本では平均約30年で、イギリスの約77年、アメリカの約55年と比べると短い期間であることがわかります。
環境に対する社会の関心が高まってきた近年、日本においても建物をできるだけ長く使おうという「ストック型」へと移行してきています。
住まいを長持ちさせるための3つのポイントを紹介します。
住まいを長持ちさせるための3つのポイント
①定期的な点検
新築時より10年を経過する住宅は経年劣化が起こっている可能性があります。
劣化状況をチェックするための点検を実施しましょう。
②適切なメンテナンス
点検の結果、不具合があった場合には必ず早めにメンテナンス工事を行います。
早期に発見し、補修を行うことで被害の拡大を防ぎます。
③記録の保管
新築・リノベーション時の図面や仕様書などは保管しておくようにしましょう。
点検やメンテナンスを行う際の重要な情報となります。
住まいの点検について
まずは住宅のプロによる点検を行い、メンテナンスが必要かどうかを判断します。
主要な点検箇所
外部
・外壁(壁材・サッシ廻りや目地のシーリング材)
・屋根(屋根材の劣化・破損)
・板金(雨どい・棟板金など)
・排水桝(詰まりや破損の有無)など
内部
・シロアリ点検
・蛇口・シャワーホース・給水管の不具合・水漏れ
・設備機器(温水暖房便座・給湯器・浴室乾燥機)など
雨どいや排水桝、給排水管のつまりは、汚れや落ち葉などが原因の場合もあります。こまめなお掃除で予防しましょう。
水漏れは気付かずに放置しておくと、周囲の床材や壁材などを傷めることがあります。少しでも異常を感じたら点検をご依頼ください。
メンテナンスについて
メンテナンス時期は使用材料や立地条件などによって異なりますが、おおよその目安をご紹介します。
屋根
屋根材の種類によって耐用年数は異なりますが、築10年を過ぎた辺りからメンテナンスが必要になるケースが増えます。
日頃から屋根材の変色やヒビ・剥がれなどを目視し、劣化状況をチェックしましょう。
雨どいのズレやゆがみ・剥がれがないかも確認します。
外壁
外壁のメンテナンスは10年程度が目安となります。地震などによるひび割れが起きている場合には、築年数にかかわらず補修が必要です。
メンテナンス方法としては、塗装や張り替え、カバー工法などがあります。
サッシ廻りや外壁材の目地のシーリング材も徐々に劣化するので点検・補修を行います。
メンテナンス方法や費用については点検時にご相談ください。
お引渡しから約13年、外部全体の塗装、サイディングの目地、サッシ廻りのコーキングの打ち替えを行いました。
長く住み継いでいただくための大切な工事です。
住まいの劣化を早める雨漏りについて
住宅の不具合の中で特に重大な項目が雨漏りです。
雨漏りが発生すると
①破損や亀裂から雨水が侵入し、柱や垂木などの木材が腐食し始めます。
②木材の腐食により壁内や床下などでシロアリやカビなどが発生することがあります。
シロアリにより木材が食害を受けたり、カビを餌とするダニの健康被害を受けることも。
③構造部分の木材の被害が進むことで、住宅に必要な耐震性能が満たされなくなり、大掛かりな改修が必要となる場合も出てきます。
雨漏りが発生しやすい注意すべき部位
①屋根
屋根自体の劣化だけでなく、谷樋やルーフィングの経年劣化が原因で天井裏に雨水が侵入することもあります。
②ベランダ
笠木のヒビや浮きから雨水が侵入し、梁や柱を腐らせます。
③外壁
塗膜の劣化や地震によるひび割れで防水機能が低下。雨水の侵入により、壁内部の木部を腐らせます。
④窓
外壁と窓枠との間のシーリング材の劣化により、雨水が侵入し壁内部の木部を腐らせます。
瑕疵保険について
瑕疵とは「通常あるべき品質や性能を有しないこと」をいい、住宅においては住宅が備えるべき通常の機能、または契約で定められた機能が果たせないような欠陥・不具合をいいます。
雨漏りの主な3つの要因としては
①メンテナンス不足による経年劣化
②台風などの自然災害
③瑕疵
が挙げられますが、このうち瑕疵については新築の引き渡し後10年間は、瑕疵担保責任により住宅事業者が補修することが義務となっています。
当社では新築時に住宅あんしん保証の新築住宅瑕疵保険に加入していただいています。