コラム
人生100年時代の家
2024.09.09
自然災害から住まいを守るために
台風や地震などの自然災害が多い日本。線状降水帯による水害やひょうによる被害も耳にすることが増えてきました。
突然やってくる自然災害から住まいや家族を守るための対策についてまとめました。
災害予報が出たら
台風や大雨の接近がわかった時には、家の周りを点検するようにします。
シャッターや雨戸がない窓ガラスは飛散防止のフィルムなどで保護し、災害発生時には窓の近くに近寄らないようにしましょう。
後付けできる雨戸やシャッターもありますので導入をご検討ください。
側溝や排水桝の水はけが悪いと浸水の原因となりますので、掃除をして落ち葉やゴミを取り除いておくようにしましょう。
天候が崩れてからの作業は危険を伴いますので、必ず早めの対策をお願いします。


普段からしておくべき備え
まずは地震や台風に耐えられる強い構造が確保できているのかを確認しておきましょう。
滋賀県では、昭和56年6月以前着工の木造住宅は無料で耐震診断を受けることができます。
まずはお気軽にご相談ください。
耐震診断の結果、補強が必要な場合には補強案の作成を行います。
要件を満たせば耐震改修工事に対する補助金を受けることができます。
屋根の仕上げ材や下地、軒先の劣化にも注意が必要です。
雨水の侵入や風で飛ばされることがあれば、家の内部にまで被害が及びます。
万が一被害に遭った時は
台風や水災、ひょうによる被害などは火災保険で補償されるケースがあります。
破損した箇所の写真等が必要となる場合もありますので、工事を行う前にまずは保険会社にお問い合わせされることをおすすめします。
被害が拡大しないように、修繕は出来るだけ早く行うようにしましょう。
2024.02.06
住まいを長持ちさせるには
国土交通省の資料によると、取り壊される住宅の平均築後経過年数は、日本では平均約30年で、イギリスの約77年、アメリカの約55年と比べると短い期間であることがわかります。
環境に対する社会の関心が高まってきた近年、日本においても建物をできるだけ長く使おうという「ストック型」へと移行してきています。
住まいを長持ちさせるための3つのポイントを紹介します。
住まいを長持ちさせるための3つのポイント
①定期的な点検
新築時より10年を経過する住宅は経年劣化が起こっている可能性があります。
劣化状況をチェックするための点検を実施しましょう。
②適切なメンテナンス
点検の結果、不具合があった場合には必ず早めにメンテナンス工事を行います。
早期に発見し、補修を行うことで被害の拡大を防ぎます。
③記録の保管
新築・リノベーション時の図面や仕様書などは保管しておくようにしましょう。
点検やメンテナンスを行う際の重要な情報となります。
住まいの点検について
まずは住宅のプロによる点検を行い、メンテナンスが必要かどうかを判断します。
主要な点検箇所
外部
・外壁(壁材・サッシ廻りや目地のシーリング材)
・屋根(屋根材の劣化・破損)
・板金(雨どい・棟板金など)
・排水桝(詰まりや破損の有無)など
内部
・シロアリ点検
・蛇口・シャワーホース・給水管の不具合・水漏れ
・設備機器(温水暖房便座・給湯器・浴室乾燥機)など
雨どいや排水桝、給排水管のつまりは、汚れや落ち葉などが原因の場合もあります。こまめなお掃除で予防しましょう。
水漏れは気付かずに放置しておくと、周囲の床材や壁材などを傷めることがあります。少しでも異常を感じたら点検をご依頼ください。
メンテナンスについて
メンテナンス時期は使用材料や立地条件などによって異なりますが、おおよその目安をご紹介します。
屋根
屋根材の種類によって耐用年数は異なりますが、築10年を過ぎた辺りからメンテナンスが必要になるケースが増えます。
日頃から屋根材の変色やヒビ・剥がれなどを目視し、劣化状況をチェックしましょう。
雨どいのズレやゆがみ・剥がれがないかも確認します。
外壁
外壁のメンテナンスは10年程度が目安となります。地震などによるひび割れが起きている場合には、築年数にかかわらず補修が必要です。
メンテナンス方法としては、塗装や張り替え、カバー工法などがあります。
サッシ廻りや外壁材の目地のシーリング材も徐々に劣化するので点検・補修を行います。
メンテナンス方法や費用については点検時にご相談ください。

お引渡しから約13年、外部全体の塗装、サイディングの目地、サッシ廻りのコーキングの打ち替えを行いました。
長く住み継いでいただくための大切な工事です。
住まいの劣化を早める雨漏りについて
住宅の不具合の中で特に重大な項目が雨漏りです。
雨漏りが発生すると
①破損や亀裂から雨水が侵入し、柱や垂木などの木材が腐食し始めます。
②木材の腐食により壁内や床下などでシロアリやカビなどが発生することがあります。
シロアリにより木材が食害を受けたり、カビを餌とするダニの健康被害を受けることも。
③構造部分の木材の被害が進むことで、住宅に必要な耐震性能が満たされなくなり、大掛かりな改修が必要となる場合も出てきます。
雨漏りが発生しやすい注意すべき部位
①屋根
屋根自体の劣化だけでなく、谷樋やルーフィングの経年劣化が原因で天井裏に雨水が侵入することもあります。
②ベランダ
笠木のヒビや浮きから雨水が侵入し、梁や柱を腐らせます。
③外壁
塗膜の劣化や地震によるひび割れで防水機能が低下。雨水の侵入により、壁内部の木部を腐らせます。
④窓
外壁と窓枠との間のシーリング材の劣化により、雨水が侵入し壁内部の木部を腐らせます。
瑕疵保険について
瑕疵とは「通常あるべき品質や性能を有しないこと」をいい、住宅においては住宅が備えるべき通常の機能、または契約で定められた機能が果たせないような欠陥・不具合をいいます。
雨漏りの主な3つの要因としては
①メンテナンス不足による経年劣化
②台風などの自然災害
③瑕疵
が挙げられますが、このうち瑕疵については新築の引き渡し後10年間は、瑕疵担保責任により住宅事業者が補修することが義務となっています。
当社では新築時に住宅あんしん保証の新築住宅瑕疵保険に加入していただいています。
2023.11.27
『これからの住まいと暮らしを考えてみませんか』 vol.8 余った部屋の活用への配慮

子ども部屋や和室など、
生活環境が変わり
使われなくなった部屋はありませんか。
趣味の部屋や収納スペースなどに
改修して有効活用することを
おすすめします。
子ども部屋や和室など、生活環境が変わり使われなくなった部屋はありませんか。
趣味の部屋や収納スペースなどに改修して有効活用することをおすすめします。

before

after
使われていなかった屋根裏スペースを改修しました。

before

after
濡れ縁で母屋と行き来ができる小屋を増築しました。
K様邸リノベーション


これからの住まいと暮らしを考えた改修をご紹介した冊子「バリアフリー改修のすすめ」をご用意しています。
ご興味のある方はお問い合わせくださいね。
2023.09.11
『これからの住まいと暮らしを考えてみませんか』 vol.7 光・音・匂い・湿度などへの配慮

人生百年時代と言われる現代。
今は元気でも、年を重ねるにつれて
体力低下が起きて、住まい方にも変
化が必要となってきます。
ご家族にとって、現在の住まいが安
全で快適な環境になっているのかど
うか、将来を想定して確認してみる
ことをおすすめします。

家で過ごす時間が増える高齢期においては、光や音などのストレスを感じることなく、快適に過ごすことのできる住環境はとても重要です。
窓の配置・大きさの変更や新設により、通風や明るさ、防音性の向上につなげます。

また、複数照明や間接照明などで落ち着いた雰囲気と必要な明るさの確保を両立します。
匂いや湿気が気になる場合には適切な場所に換気設備を設置するとよいでしょう。


これからの住まいと暮らしを考えた改修をご紹介した冊子「バリアフリー改修のすすめ」をご用意しています。
ご興味のある方はお問い合わせくださいね。
2023.06.09
『これからの住まいと暮らしを考えてみませんか』 vol.6 設備の導入・更新への配慮

人生百年時代と言われる現代。
今は元気でも、年を重ねるにつれて
体力低下が起きて、住まい方にも変
化が必要となってきます。
ご家族にとって、現在の住まいが安
全で快適な環境になっているのかど
うか、将来を想定して確認してみる
ことをおすすめします。
便利な最新の設備機器を導入することは、安全・清潔な生活を送るための手助けとなります。
また、最新の設備は省エネルギーに配慮されており、ランニングコスト減につながることもあります。
おすすめのリフォーム

・火が出ないIHクッキングヒーターを導入することで、ガスコンロと比べて調理が安全に
・掃除のしやすいレンジフードの導入でお掃除楽々
・食器洗い乾燥機の設置で手間を軽減し節水にも

・浴室暖房乾燥機の導入で洗濯物を浴室内で乾燥でき、浴室を温かくしておくことで入浴時のヒートショックを回避

・外出時の利便性や防犯性の向上のため、電動シャッター・自動点灯照明・防犯カメラ・ドアホンなどを設置する
現在お使いの設備機器が10年以上経過している場合には、最新の機器に交換されることを検討してみてはいかがでしょうか。商品についてのご相談も受け付けております。
2023.03.06
『これからの住まいと暮らしを考えてみませんか』 vol.5 主要動線上のバリアフリーへの配慮

人生百年時代と言われる現代。
今は元気でも、年を重ねるにつれて
体力低下が起きて、住まい方にも変
化が必要となってきます。
ご家族にとって、現在の住まいが安
全で快適な環境になっているのかど
うか、将来を想定して確認してみる
ことをおすすめします。

加齢により身体機能が衰えると、小さな段差や暗い場所での転倒が起こりやすくなります。
家庭内事故をなくすためには、日常生活において移動しやすく転倒しにくい環境を作る必要があります。
おすすめのリフォーム
①床材の交換
・すべりにくい素材に交換
・歩きやすく転んでも衝撃を緩和する衝撃緩和畳の導入
②手掛かりや手すりの設置
・伝って歩くことができるよう動線上に設置
④段差の解消
・部屋同士の間仕切りをなくしひと続きの部屋にする
・ドアの下枠を段差のないものに交換
・床のかさ上げによる部屋間の段差解消
⑤収納スペースの確保
・物につまずかないよう各部屋に十分なスペースを設ける
⑥コンセントの位置を移動
電化製品のコードに足をひっかけることがないようにコンセントの位置の移動や露出のない配線ルートを確保


生活上で危ないと感じた場所や一日のうちで最も長く過ごす場所から見直しましょう。
事故の予防だけでなく活動的な生活を送ることにもつながります。
2023.01.26
『これからの住まいと暮らしを考えてみませんか』 vol.4 日常生活空間の合理化

身体的な負担をできるだけ少なく
日常生活を送るには、
生活空間の合理化を行う必要があります。
移動のための距離が遠いと感じるようになったり
階段の上り下りに不安がある場合には、
寝室などの日常的な生活空間を
1階に移動することをおすすめします。
また、お子様の独立などで家族の人数が減り、
使われていない部屋がある場合には、
複数の部屋をつなげてひとつの大きな部屋に
することを検討してみてはいかがでしょうか。
よく利用する空間が広くなることで、
家の中でゆったりと過ごすことができます。

おすすめのリフォーム
①階段の上り下りに負担を感じる場合
・洗濯物を干す際の負担を減らすために物干し場を2階から1階に移動
・生活空間を1階(同じ階)に集約させる
②夜間のトイレが心配な場合
・トイレを寝室の隣に配置する
・トイレに近い場所に開口(出入口)を設ける
③室内でつまずくことがある場合
・床の段差をなくしひと続きの広い空間にする
・ドアの下枠を段差のないものに替える
日常でよく使う空間の障害物をなくしていつまでも安全に過ごせるようにしましょう。
2022.09.27
『これからの住まいと暮らしを考えてみませんか』vol.3トイレ・浴室の利用のしやすさへの配慮

人生百年時代と言われる現代。
今は元気でも、年を重ねるにつれて
体力低下が起きて、住まい方にも変
化が必要となってきます。
ご家族にとって、現在の住まいが安
全で快適な環境になっているのかど
うか、将来を想定して確認してみる
ことをおすすめします。
年齢を重ね身体の機能が衰えても自宅で安全に住み続けるためには、毎日利用するトイレやお風呂を使いやすくすることが大変重要となります。
寝室とトイレの近接化で夜間でも寝室からトイレまで行きやすい環境を整えたり、安全な浴室で快適な入浴を楽しむことで健康に変化が現れることもあります。
POINT
●出入口の段差をなくす
●出入口は引き戸がおすすめ
●浴槽のまたぎ込み高さを適切なものに
●手すりの設置
(浴槽の出入り・トイレの立ち座りなど)
●床材や手すりにはすべりにくい素材を使用
●冬場寒くないように空調を整える
おすすめ改修


出入口の床は段差をなくすと安心です。
また適切な場所に手すりを設置するようにしましょう。
床を滑りにくい素材の物に交換する工事もおすすめです。




- 部分リフォーム
事例はこちら▶▶▶
2022.05.30
『これからの住まいと暮らしを考えてみませんか』vol.2 外出のしやすさへの配慮

人生百年時代と言われる現代。
今は元気でも、年を重ねるにつれて
体力低下が起きて、住まい方にも変
化が必要となってきます。
ご家族にとって、現在の住まいが安
全で快適な環境になっているのかど
うか、将来を想定して確認してみる
ことをおすすめします。
外出する機会が減ると運動不足やストレスが生じ、活力の低下につながります。
外出がしやすくなるような玄関まわりの環境を整える改修をご紹介します。
外出のしやすさに配慮したおすすめ改修
スロープの設置
玄関に緩やかなスロープを設置することで、車椅子での利用が可能になります。
歩いて出入りする際にも段差がなくて安心です。

手すりの設置


スロープを設けるスペースがない場合には手すりの取付けが有効です。
比較的短時間の工事で済むのも嬉しいポイントです。
スロープの設置や手すりの設置工事には介護保険の住宅改修費が支給される可能性があります。
詳しくは事前にご相談ください。申請手続きのお手伝いもさせていただいています。

- 部分リフォーム
事例はこちら▶▶▶
2022.02.23
『これからの住まいと暮らしを考えてみませんか』vol.1 温熱環境を整える

人生百年時代と言われる現代。
今は元気でも、年を重ねるにつれて
体力低下が起きて、住まい方にも変
化が必要となってきます。
ご家族にとって、現在の住まいが安
全で快適な環境になっているのかど
うか、将来を想定して確認してみる
ことをおすすめします。
第1回目に取り上げるチェックポイントは「温熱環境」についてです。
家全体の温熱環境が整っていないと、ヒートショックや熱中症が原因となる住宅内事故のリスクが高まります。
また、寒いとトイレや入浴がおっくうになり生活全般の活動量が低下して、要介護状態への移行が高まるリスクがあります。
おすすめ改修
内窓の設置

熱は窓などの開口部を通じて出入りします。
内窓を設置し、外気の温度の影響をできるだけ受けないようにすることが有効です。
暖冷房設備の設置
脱衣室にエアコンを設置して、入浴時のヒートショックを防ぎます。
また、浴室暖房乾燥機の設置で入浴前に浴室を温めておくことができます。
部屋間の温度差を整えて、どの部屋にいても四季を通じて快適に暮らすことが、健康で安全な毎日を送ることにつながります。
家全体を改修することが難しい場合には、普段よく使うスペースだけでも温熱環境を整える改修を検討してみてください。

- 部分リフォーム
事例はこちら▶▶▶



